INTERVIEWINTERVIEW受賞者インタビュー

ゴールドアワード
『Der Erlkönig』

東京都/戸山高校
チーム「Ephedrine」
阿部 悠希 (17)

ゴールドアワード受賞おめでとうございます。まずは受賞して率直な感想を聞かせてください。

阿部昨年の準優勝という結果よりも順位は下がってしまったものの、昨年よりハイレベルな戦いだったためこの結果には納得しています。なにより再び受賞できて嬉しいです。

今回のUnityインターハイに応募したきっかけを教えてください。

阿部昨年の大会で準優勝をいただき、自分の中でゲーム制作者としての道が開けたように思えました。また大会自体が良い経験にもなったため、今年も力試しと作品をより良いものにする機会として参加しています。エントリーが始まった時点では受験の年ということもあって参加するか少し迷っていたのですが、SNSで繋がっているゲーム制作者が参加表明をしていたのを見て自分も参加を決めました。

ゲーム開発をやってみようと思ったきっかけを教えてください。

阿部もともと物語を創作するのが好きで、その世界観を表現するのに良い媒体を探していたこと、またプログラミングにも興味がありゲームをプレイするのも好きだったため、ゲーム制作を始めました。

今回のプロジェクトで特にこだわった部分を聞かせてください。

阿部「魔王の世界観」「親指プレイ」という2つのコンセプトを大事に作っていきました。
前者については、ゲーテの詩「魔王」の独自解釈や他人の解釈(論文等)を元に世界観を広げています。またほとんどの画像素材を自作し、シナリオやフレーバーテキストも混ぜることで自分自身の世界観の表現も狙いました。後者については戦闘システムやUI設計において、親指一本で遊べる手軽さが生まれるように工夫しています。

今回のプロジェクトで一番大変だったことは?

阿部昨年の作品よりもボリュームが格段に増え、その分のマスターデータ管理や素材の準備が大変でした。特にプレイヤーや敵のグラフィックについては、ドット絵でアニメーションをさせたり、向いている方向による差分を用意したりと物量との勝負になったため、モチベーション維持の面でも苦労しました。

作品制作にあたり影響を受けた作品はありますか?

阿部ゲーテ「Der Erlkönig(魔王)」、シューベルト「Erlkönig(魔王)」が世界観の土台となっています。なぜ父親は子供の言うことを信じなかったか、なぜ魔王は子供の命を奪ったかという観点から物語を広げました。「ReversEstory」には戦闘システム面で影響を受けています。

ゲームを開発する上で楽しいと感じるのはどんな時ですか?

阿部自分でテストプレイをしてみて「あ、このゲーム楽しい!」と思えた瞬間が一番楽しかったです。遊んでいて楽しいのも勿論ですが、狙った通りの楽しさが作れた喜び・達成感も相まってより楽しくなるように思えました。また意図していなかった・予想していなかった点で楽しい遊び方を見つけられた時も楽しいです。

「あなたらしさ」というのは作品のどこに表れましたか?

阿部「魔王」の世界を土台にする、という点に現れていると思います。「魔王」のストーリーから広がっていった世界観は私独自のものですし、それを伝えるシナリオやフレーバーテキスト等にも(自身の言い回しも含めて)それが現れていると思っています。

本大会を通じて他の参加者との交流は生まれましたか?

阿部今年の参加者との繋がりは勿論のこと、SNSや非公式懇親会を通じて以前の参加者との繋がりもできました。情報を共有し、切磋琢磨し合える貴重な仲間だと思うので、今後もこの繋がりを大事にしていきたいです。

今後どんな作品を作っていきたいですか?

阿部ストーリー駆動での開発を続けていく予定です。ストーリーや世界観のストックがまだまだあるので、一年に一本くらいのペースでリリースしていけたら良いと思っています。また、作風やジャンルも一つに囚われずに様々なものに挑戦していき、多くの経験を積んでいきたいです。次作は生物創造×名付け×ポリゴンパズルといったものを予定しています。

今回が最後の出場というのが、残念もあり寂しくもありますね。

阿部たった二回の出場でこの大会を去らなければならないことを少し残念に思いますが、これからは社会という世界での活動にもっと重点を置いていきたいです。来年以降のインターハイにも、OGという立場で関わって盛り上げて行く予定です!

ありがとうございました!